2025年、埼玉県内で70代の無職男性が「詐欺の疑いの訴状が届いている」と警察官を名乗る人物から電話を受け、暗号資産で約2億954万円相当をだまし取られたとみられる事案が報じられました。ChainTrackでは、この事案のオンチェーン的な構造と、なぜ被害が長期化したのかを独自の視点で分析します。
手口の流れ:電話→メッセージアプリ→口座開設→送金
今回の手口は、いわゆる「偽警察官型暗号資産詐欺」に分類されます。まず固定電話で不安を煽り、次にメッセージアプリへ誘導することで、会話の記録を詐欺グループが管理しやすい環境に切り替えるとみられます。その後、被害者に複数の口座開設と暗号資産購入を指示し、グループ管理下のウォレットへ送金させるという流れは、近年のSNS・メッセージアプリを悪用した詐欺案件に共通するパターンです。
オンチェーン視点:22回・約1ヶ月の送金が示すもの
4月14日から5月8日にかけて22回にわたって送金が繰り返された点は、オンチェーン解析上も重要な特徴です。一度に大きな金額を送金させるのではなく、小口に分けて繰り返すことで、被害者の疑念を和らげ、取引所側の不審検知をかいくぐろうとする意図がある可能性があります。このような分割送金パターンは、資金追跡において複数トランザクションをクラスタリングする必要があり、解析の難易度が上がる傾向があります。
被害発覚のきっかけ:金額の不一致
最終的に被害者が気づいたのは、詐欺グループから送られてきた「送金合計額の確認」が実際の送金額より少なかったためです。これは詐欺グループ側のオペレーションミスの可能性があります。逆に言えば、こうした「ほころび」がなければ被害はさらに拡大していたかもしれません。
予防のポイント
①公的機関(警察・裁判所等)が電話で暗号資産の購入・送金を指示することはありません。②会話をメッセージアプリに移行させようとする場合は詐欺を疑ってください。③家族や信頼できる人に相談してから行動することが重要です。被害にあったと思われる場合は、速やかに最寄りの警察署と取引所のサポートに連絡することをお勧めします。資金の回収を保証することはできませんが、早期の通報が調査の手がかりになる可能性があります。
参考: Yahoo!ニュース
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