「あなたの秘密を知っている」「支払わなければ動画を拡散する」——こうした脅迫メールを受け取り、ビットコインの送金を求められたという相談が後を絶たない。こうした手口はセクストーション(性的脅迫)詐欺と呼ばれ、SNSやメールを通じて世界中で被害が報告されている。
典型的な手口
差出人は「あなたのデバイスをハッキングし、成人向けサイト閲覧中の映像を録画した」などと主張する。実際にはそのような映像が存在しない場合がほとんどとみられるが、メールには被害者の実在するパスワードや個人情報の一部が記載されていることがある。これは過去に発生した大規模なデータ漏洩から入手した情報を転用しているとみられており、「本当に監視されている」と信じ込ませる心理的な工夫が施されている可能性がある。
ビットコインアドレスがキーになる
支払い先として指定されるのは、ほぼ例外なくビットコインアドレス(bc1q〜形式のネイティブSegWitアドレスが多い)だ。ビットコインは取引の透明性が高く、オンチェーン上でアドレスへの資金流入・流出の追跡は技術的に可能とされている。ChainTrackの調査では、こうしたアドレスに複数の被害者から少額が送金されているパターンがしばしば確認される。ただし、ミキサーやチェーン間ブリッジを経由して資金が移動した場合、追跡の継続が困難になるケースもある。
絶対にやってはいけないこと
最も重要なのは、要求に応じて送金しないことだ。送金しても脅迫が止まる保証はなく、「支払い可能な標的」として認識され、追加要求が来る可能性がある。メールの返信も同様に避けることが推奨される。
被害に遭った場合の対処
①メールのヘッダー情報・ビットコインアドレスをそのまま保存する。②国民生活センターや警察庁のサイバー犯罪相談窓口(#9110)に相談する。③IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ安心相談窓口」も活用できる。オンチェーン調査が必要な場合は、トランザクションハッシュやアドレスを記録した上で専門機関に相談することが望ましい。資金の回復については、送金済みの場合でも状況によって対応が異なるため、まず公的窓口への届け出を優先してほしい。
ChainTrackでは引き続き、こうした詐欺で使用されるビットコインアドレスのオンチェーン動向を観測していく。身に覚えのない脅迫メールを受け取った場合は、冷静に対処することが何より重要だ。
参考: Fraudnavi
💬 暗号資産の被害・不正送金の追跡調査のご相談はChainTrackへ。https://trackingbb.net


コメント