富山県警は2025年9月、SNSで届いたメッセージをきっかけに投資話を持ちかけられた県東部在住の60代男性が、金塊など合計約2億円相当をだまし取られたと発表した。本件はいわゆる「SNS型ロマンス・投資複合詐欺」の典型的な構造とみられ、被害の大きさとともにその手口の精巧さが改めて注目されている。
段階的な信頼構築が特徴
このタイプの詐欺では、まず面識のない人物からSNSにダイレクトメッセージが届くことが多い。最初は投資とは無関係な日常会話が続き、数週間から数か月かけて信頼関係を形成するケースが確認されている。その後「信頼できる投資先を紹介したい」などとして、専用アプリやウェブサービスへの誘導が行われるとみられる。アプリ上では実際に利益が出ているように見える偽の残高・チャート表示が用意されていることがあり、被害者が疑いを持ちにくい仕組みが整えられている可能性がある。
金塊・現物資産を要求する理由
今回の事例で特徴的なのは、現金だけでなく金塊などの現物資産が要求された点だ。現物資産は銀行振込と異なり、受取・換金の経路をオンチェーン上で追いにくく、詐欺グループにとって証拠隠滅がしやすいと考えられる。また被害者側も「資産を保有している」という感覚を持ちやすく、詐欺と気づきにくいという心理的効果があるとみられる。
被害に遭ったと思ったら
もし同様の被害に遭った可能性がある場合は、まず送金・資産の移転を即時停止し、取引所を利用していた場合はサポート窓口へ報告することが重要だ。その後、警察の相談窓口(#9110)や消費者ホットライン(188)への連絡を検討してほしい。なお、資金の回復については保証されるものではなく、早期の相談が対応の選択肢を広げる可能性があるという点にとどまる。SNSから届く投資の誘いは、どれほど信頼できる相手に見えても、立ち止まって慎重に確認することが重要だ。
参考: Asahi Shimbun
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