米国証券取引委員会(SEC)は、暗号資産詐欺グループ「NanoBit」に対して欠席判決により約540万ドルの制裁を勝ち取ったと報じられています。本件はSNSを起点とした「ロマンス詐欺型」の典型ともいえる構造を持っており、日本の投資家にとっても決して他人事ではないケースです。
三段階の誘導プロセス
まずInstagramなどのSNSでターゲットに接触し、その後WhatsAppのグループチャットへと誘導するという流れが確認されています。グループ内には「金融専門家」を装う人物が複数配置され、NanoBitを積極的に推奨していたとみられます。さらに、関連法人がSECに正規のブローカーとして登録済みであるという虚偽の説明や、架空のICOへの参加を持ちかけることで、被害者に安心感を与えていた可能性があります。
偽ダッシュボードという「見えない罠」
ChainTrackが特に注目するのは、「偽の利益ダッシュボード」の活用です。被害者が入金すると、専用プラットフォームの画面上では資産が順調に増加しているように見えますが、オンチェーン上では実際の取引が一切行われていない可能性があります。この手法はいわゆる「ショーウィンドウ型詐欺」とも呼ばれ、ブロックチェーンエクスプローラーで送金先アドレスを自ら確認しない限り、被害に気づきにくい構造になっています。
自衛のためにできること
このような詐欺を見抜くうえで有効なのが、入金先ウォレットアドレスのオンチェーン確認です。EtherscanやBlockchain.comなどのエクスプローラーを使えば、実際に取引が発生しているか、資金がどこに流れているかをある程度確認できます。プラットフォーム上の「残高表示」だけを信用せず、トランザクションの実在を自分で検証する習慣が重要です。また、SNSで知り合った人物から投資案件を紹介された場合は、まず公的機関(金融庁・消費者庁)への照会を検討してください。なお、被害に遭った場合でも資金の回収が保証されるわけではなく、早期の相談と記録保全が対応の鍵となります。
参考: NEXTMONEY
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