フランスのヌニェス内相は2025年に入り、暗号資産関係者を標的とした監禁・誘拐・恐喝事件が既に77件に達したと明らかにしました。2024年通年の45件をすでに大きく上回るペースで、当局は深刻な治安上の懸念として捉えているとみられます。
「オンチェーン情報」が犯行準備に使われる可能性
このような実力行使型の犯罪では、被害者の選定に際してSNSでの資産アピールや、ブロックチェーン上の大口送金履歴が参照される可能性があります。パブリックチェーンのウォレットアドレスは誰でも閲覧でき、保有残高や送金パターンが可視化されています。SNSでのロマンス的なアプローチを入口に信頼関係を構築し、保有状況を聞き出す手口も報告されており、デジタルとリアルの脅威が交差しはじめているといえるでしょう。
日本への示唆
今回の事案はフランスでの報告ですが、暗号資産の普及が進む日本においても類似の手口が波及する可能性は否定できません。特に注意が必要なのは以下の点です。①SNS上で保有量や取引実績を不用意に公開しない、②ウォレットアドレスを特定の人物とひも付けられるような形で公表しない、③大口送金後に所在・行動パターンを外部に知らせない、の3点が基本的な自衛策として挙げられます。
ロマンス詐欺との接点にも注意
ロマンス詐欺(いわゆる「豚の屠殺」詐欺)では、被害者から段階的に資産状況を引き出す手法が使われます。こうした情報収集が、金銭的詐取にとどまらず、リアル世界での恐喝・強制手段へとエスカレートするリスクも念頭に置くべきでしょう。被害に遭ったと感じた場合は、警察や消費者センターへの相談が第一歩となります。資金の回復については保証できるものではありませんが、早期の証拠保全が対応の選択肢を広げる可能性があります。
ChainTrackでは引き続きオンチェーン分析の視点から、こうした犯罪手口の動向を注視していきます。
参考: CRYPTO TIMES
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