近年、SNSを通じて親密な関係を築いたうえで暗号資産(仮想通貨)への投資を勧める「ロマンス詐欺」の被害が急増しています。被害者の多くが利用する国内取引所のひとつがCoincheck(コインチェック)です。被害者が気づかないうちに資産を外部ウォレットへ送金させられ、取引所のサポートに問い合わせた段階ではすでに資金が複数のアドレスを経由している——そうした状況が相次いで確認されています。
何が起きているのか
典型的な手口はこうです。まずSNS(InstagramやLINEなど)で見知らぬ人物から「友達申請」や「誤送信を装ったメッセージ」が届きます。数週間にわたって日常的な会話を重ね、信頼関係を構築したのち、「私は暗号資産で大きな利益を出している」「一緒に投資しないか」と誘導されます。紹介されるのは偽の投資プラットフォームや、本物そっくりに偽装したサイトです。被害者はCoincheckなど正規の国内取引所で暗号資産を購入し、それを指定されたアドレスへ送金するよう促されます。送金先はほぼ例外なく、取引所の管理外にある個人ウォレットや、身元の特定が困難な海外の取引所アドレスとみられています。
オンチェーン(ブロックチェーン上)での資金の動き
ブロックチェーン上に記録されるすべての送受金履歴(トランザクション)は、TxID(トランザクションID:取引の追跡番号のようなもの)を使えば誰でも確認できます。ChainTrackが複数の被害相談をもとに一般化した観察によると、被害に遭った資金は送金直後から「ミキシング」や「チェーンホッピング」と呼ばれる手法で分散・難読化される傾向があるとみられます。具体的には、ひとつのアドレスから10〜50のアドレスへ細かく分割されたあと、BitcoinからEthereumなど異なるチェーンへ変換され、最終的に追跡が困難な状態に置かれる可能性があります。こうした手口は一般的な「マネーロンダリング(資金洗浄)」の手法と類似しており、資金回収が極めて難しいとされています。
被害に遭わないための注意点
①SNSで知り合った人物から投資を勧められた場合は、まずプラットフォームの実在性を第三者機関で確認する。②国内取引所から「指定アドレスへの送金」を求められたら一度立ち止まる——正規の投資サービスがこうした手順を取ることはほとんどありません。③すでに送金してしまった場合は、TxIDを手元に保存し、速やかに取引所のサポートと警察庁の「サイバー犯罪相談窓口」へ連絡することが重要です。取引所側が送金先アドレスをリスクリストに登録することで、後続の被害を抑制できる場合があります。④金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」で業者の登録状況を確認する習慣も有効です。
まとめ
SNSロマンス詐欺は「感情的なつながり」を悪用する巧妙な手口であり、40〜60代を含む幅広い層が被害に遭っています。Coincheckをはじめとする正規取引所から外部アドレスへの送金を促された場合は、強い警戒が必要です。被害に気づいた際は、TxIDを保全したうえで速やかに関係機関へ相談することが、被害の拡大を防ぐうえで最善の行動といえます。資金の回収については、状況により大きく異なるため、保証はできませんが、早期対応が重要であることは確かです。
参考: Wikipedia
💬 暗号資産の被害・不正送金の追跡調査のご相談はChainTrackへ。https://trackingbb.net


コメント