米フロリダ州で2025年、仮想通貨ATM(キオスク端末)事業者を対象とした規制法「HB 505」が成立した。大部分の規定は2027年1月1日の施行が予定されており、詐欺被害抑止を主眼に置いた内容となっている。
規制の主な内容
HB 505が定める主な要件は①端末への警告表示の義務付け、②レシートの発行、③1日あたりの取引上限額の設定、④事業者登録制度の導入、⑤一定条件を満たした場合の返金義務——の5点とみられる。特に「条件付き返金義務」は、これまで仮想通貨関連法規では珍しい規定であり、被害救済の観点から注目されている。ただし返金が実現するかどうかは個々のケースの要件充足次第であり、被害回復を保証するものではない点には留意が必要だ。
なぜATMが詐欺に使われるのか
仮想通貨ATMは、SNSやマッチングアプリを起点とするロマンス詐欺(いわゆる「ピッグ・ブッチャリング」)の送金手段として悪用される事例が多数報告されている。犯人グループとみられる側が「ATMで送金するよう」誘導するのは、現金を即座に仮想通貨へ変換でき、取引所のKYCを回避しやすいためと考えられる。高齢者など仮想通貨リテラシーが相対的に低い層が標的になりやすく、被害額が高額になる傾向があるとされる。
ChainTrackの視点
オンチェーン調査の観点では、ATM経由の送金は発端アドレスが比較的特定しやすい一方、その後のミキシングやDEX経由の資金移動で追跡が困難になるケースが多い。今回の規制により取引記録(レシート・ログ)の保全が義務化されれば、法執行機関やブロックチェーン解析企業によるトレース精度が向上する可能性がある。日本においても同様の規制議論が進む可能性は否定できず、動向を注視する価値があるだろう。
SNSで知り合った相手から仮想通貨ATMへの送金を求められた場合は、詐欺の可能性を強く疑い、送金前に家族や専門機関へ相談することを推奨する。
参考: CRYPTO TIMES
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