SNS(交流サイト)を入口に親密な関係を装い、暗号資産(仮想通貨)を騙し取る「ロマンス詐欺」の被害が、2024年以降も国内外で相次いで報告されています。被害額は一件あたり数百万円から数千万円に上るケースもあるとみられ、40〜60代を中心に幅広い年代が標的になっている可能性があります。本記事では、ChainTrackのオンチェーン調査(ブロックチェーン上の取引記録を追う調査)の視点から、この手口の構造と注意点を整理します。
何が起きているのか
ロマンス詐欺の典型的な流れは次のとおりです。まずInstagramやFacebook、マッチングアプリなどで外国人を装ったアカウントが接触し、数週間〜数ヶ月かけて信頼関係を築きます。その後「自分が使っている投資プラットフォームで一緒に稼ごう」と誘導し、被害者に暗号資産取引所でビットコインやUSDT(米ドルに連動したステーブルコイン)を購入させます。送金先は「詐欺グループが管理するウォレット」とみられるアドレスで、オンチェーン上の記録を追うと、複数の中継アドレスを経由して資金が分散される動きが確認されるケースがあります。
手口の特徴:なぜ暗号資産が狙われるのか
暗号資産が詐欺に利用されやすい理由は主に三つあります。①送金が即時かつ国境を越えて行える、②一度送った資産の取り消しが原則できない、③慣れていない被害者にとって「取引所で買って送る」という行為の危険性が見えにくい、という点です。詐欺グループはこの特性を悪用し、複数のウォレットアドレスを経由させる「チェーンホッピング」と呼ばれる手法で追跡を難しくしている可能性があります。また、近年は「ピッグバッチャリング(豚の屠殺)」と呼ばれる、被害者をじっくり太らせてから刈り取る長期型の手口も増えているとみられます。
被害に遭わないための注意点
ChainTrackが特に注意を呼びかけたいポイントは以下のとおりです。
・SNSで知り合った相手から投資話を持ちかけられた場合は、まず公的機関(金融庁・消費者庁のリスト等)で業者登録を確認する。
・「プラットフォームのURLが見慣れない」「出金しようとすると手数料を要求される」などの兆候は詐欺の典型的なサインとみられる。
・送金前に一度立ち止まり、家族や信頼できる人に相談することが重要。暗号資産は送金後の回収が非常に困難である点を忘れないようにしてください。
・被害に遭った可能性がある場合は、取引履歴(TxID=トランザクションID:送金ごとに発行される識別番号)を保存した上で、最寄りの警察署または都道府県警のサイバー犯罪相談窓口へ早期に相談することを推奨します。
まとめ
SNSを起点にしたロマンス詐欺は、人の感情と暗号資産の技術的特性を組み合わせた手口であり、被害は誰にでも起こりうる可能性があります。「SNSで知り合った相手からの投資誘導=危険信号」と覚えておくことが最初の防衛策です。資産を送金する前に立ち止まる習慣と、早期相談が被害の拡大を防ぐうえで重要です。ChainTrackでは引き続きオンチェーンの動向を追い、最新の手口と注意点を発信していきます。
参考: CoinPost
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