米国において暗号資産を悪用した詐欺被害が急拡大しており、ロマンス詐欺をはじめとする各種手口による被害総額は年間1.7兆円を超えるとみられています。日本国内でも年間200億円規模の被害が報告されており、決して対岸の火事ではない状況です(日本経済新聞・2025年5月報道より)。
「投資を誘導するロマンス詐欺」の典型的な手口
近年急増している手口の一つが、SNSや出会い系アプリで親密な関係を築いたうえで暗号資産投資へと誘導するいわゆる「豚の屠殺(Pig Butchering)」型の詐欺です。被害者は時間をかけて信頼関係を構築され、偽の投資プラットフォームへの入金を促されます。最初は小額の「利益」が確認できるよう見せかけ、最終的に大きな金額を入金させた段階でサイトごと消滅するケースが多いとみられています。
AIの普及が詐欺の「精度」を高める可能性
生成AIの普及により、自然な日本語でのやり取りや、本物らしい顔写真・動画の生成が容易になっています。これにより詐欺組織が言語の壁を越えて日本語話者を標的にしやすくなっている可能性があります。ChainTrackの観点からみると、オンチェーンの送金パターンにも変化がみられ、複数の中間ウォレットやDEXを経由して資金を分散・混合する手法が確認されています。
被害に遭った場合に取れる初期対応
もし不審な送金を行ってしまった場合、まずトランザクションID(TxID)を記録・保管することが重要です。送金先アドレスのオンチェーン履歴を確認することで、資金の流れの一端を把握できる場合があります。その後、利用した取引所のサポートへの報告、警察庁のサイバー犯罪相談窓口への届け出を検討してください。資金の回収が保証されるわけではありませんが、記録を残すことが後の対応において重要になります。
SNS上での「投資の誘い」には、相手の素性を複数の手段で確認し、急かされる場面では特に慎重な判断が求められます。
参考: Nikkei
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