米コロンビア特別区連邦検察局と米シークレットサービス・ワシントン・フィールド・オフィスは2025年、米国・カナダ在住者を標的にした国際的な詐欺スキームに関連する暗号資産(仮想通貨)約2,500万ドル(約40億円相当)を押収したと発表した。同日付で5件の民事没収申立てが連邦地方裁判所に提起されており、拠点は東南アジアとみられる資金洗浄グループが関与していた可能性がある。
何が起きたのか
今回の摘発は複数の捜査を束ねた成果とみられており、被害者は主にSNSを通じて接触された一般市民だったとされる。詐欺師側はSNS上で親密な関係を築いたうえで「有利な投資先がある」と誘導し、被害者自身に暗号資産を送金させる手口を取ったとみられている。このような手口は一般に「ロマンス詐欺」や「投資詐欺」と呼ばれ、近年急増しているタイプだ。押収された資金はビットコインやイーサリアムなど複数の銘柄にまたがっていたとみられるが、詳細な内訳は現時点で公表されていない。
手口の特徴――SNS・恋愛感情・偽投資の三段階
ChainTrackがこの種の事案を分析すると、被害は典型的な三段階で進行することが多い。①SNS(Instagram・FacebookやマッチングアプリなどのDM)を通じた接触と信頼構築、②「知人の投資で利益が出た」などと語り偽の投資プラットフォームへ誘導、③少額の「お試し出金」を成功させて安心させた後に大口入金を促し、出金できなくさせる――という流れだ。資金は送金直後に複数のウォレット(暗号資産の保管場所)を経由して分散・混合(ミキシング)されるため、追跡が困難になる。今回の事案でも東南アジアを拠点とする資金洗浄グループが中継役を担っていたとみられており、オンチェーン(ブロックチェーン上の取引記録)分析と国際捜査機関の連携があって初めて押収に至った可能性がある。
被害に遭わないための注意点
①SNSや出会い系アプリで知り合った相手から投資を勧められたら、まず立ち止まる。面識のない相手が「必ず儲かる」「限定の投資機会」などと語りかける場合、詐欺の可能性が高い。②入金前にプラットフォームの運営者情報・金融ライセンスを日本の金融庁の無登録業者リストで確認する。③一度送金した暗号資産は取引の性質上、原則として第三者が強制的に戻すことはできない。被害に気づいたら警察(サイバー犯罪相談窓口)や金融庁、最寄りの消費生活センターに速やかに相談することを推奨する。また、取引所に送金前であれば、取引所のサポートに状況を伝えることで凍結措置が取られるケースもある(ただし保証はない)。
まとめ
米当局は国際詐欺スキームに絡む約40億円相当の暗号資産を押収し、5件の民事没収申立てを提起した。SNSを起点にロマンス感情と投資話を組み合わせる手口は日本国内でも報告されており、他人事ではない。送金前の冷静な確認と、怪しいと感じた時点での公的機関への相談が最大の防衛策となる。
参考: Yahoo!ファイナンス
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