島根県西部に住む60代の女性が、SNSのマッチングアプリで知り合った人物から投資を持ちかけられ、約5100万円相当をだまし取られたとみられる事件が明らかになりました。被害額の大半は暗号資産として送金されたとされており、オンチェーン調査の観点から改めて手口と対策を整理します。
典型的なロマンス詐欺の流れ
このケースは「ピッグ・ブッチャリング(Pig Butchering)」とも呼ばれる詐欺の手口に類似している可能性があります。まずSNSやマッチングアプリで被害者と親密な関係を築き、信頼を獲得したうえで「知人に教えてもらった投資サイト」「高利回りのプラットフォーム」などへの誘導が行われるのが典型的なパターンです。被害者が少額で試すと「利益」が表示され、信頼感が増したところで大口の送金を繰り返させる構造とみられます。
暗号資産が使われる理由
暗号資産は送金速度が速く、一度トランザクションが承認されると取り消しが極めて困難です。また、複数のウォレットアドレスを経由させることで資金の流れを複雑化できるため、詐欺グループに悪用されやすい特性があります。ブロックチェーン上には取引記録が残るものの、アドレス所有者の特定には専門的な解析が必要です。
オンチェーン追跡の現状と限界
送金に使われたトランザクションハッシュやアドレスが特定できれば、チェーン上の資金移動を一定程度追跡することは可能です。ただし、ミキサーやプライバシーコインへの変換、複数チェーンをまたぐブリッジ送金が行われた場合、追跡難易度は大幅に上がります。警察への被害届とあわせて、送金した取引所のサポートへ速やかに連絡し、受取アドレスのフラグ申請を行うことが、被害拡大を抑える上で重要な初動とみられます。
被害に遭ったと感じたら
①送金に使った取引所へ即時連絡しアカウントを保全する、②警察の相談窓口(#9110)または最寄りの警察署へ被害届を提出する、③送金履歴・チャット記録などの証拠を保全する――この3点が初動として有効とされています。資金の回復を保証できるサービスは存在せず、「返金できる」と主張する二次的な勧誘も詐欺の可能性があるため注意が必要です。
ChainTrackでは引き続きSNS型詐欺の手口とオンチェーン動向を注視していきます。
参考: Yahoo!ニュース
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